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病院コラム

膀胱腫瘍

2017.10.16

血尿や頻尿といった症状で来院されるワンちゃんや猫ちゃんで、膀胱の腫瘍が原因のことがあります。

超音波検査で膀胱に腫瘍が見つかり、手術で摘出したワンちゃん数例をご紹介します。

 

症例1:

2~3ヶ月くらいから、排尿時間が長いということで来院されたワンちゃん。超音波検査したところ、膀胱の頭側部に3×4cmの腫瘍が認められ、摘出手術を行いました。

オーナー様のご都合により、2週間後の摘出となりました。腫瘍はやや大きくなっておりましたが、周囲の臓器に癒着はなく、綺麗に摘出できました。

腫瘍は、膀胱平滑筋腫で良性の腫瘍でした。腫瘍の脈管内浸潤も認められず、完全に摘出できましたので、再発もなく、元気にしております。膀胱は1/3程度を一緒に切除していますが、1年後には十分な大きさに再生していました。

  

白矢印(→)腫瘍  青矢印(←)膀胱    摘出した腫瘍

 

症例2:

数日前から血尿が出るとのことで来院されたワンちゃん。超音波検査で膀胱結石が認められ、またポリープ状の腫瘤が数ヵ所に認められました。

膀胱結石を摘出し、一緒にポリープ状の腫瘤も切除しました。ポリープは4カ所あり、膀胱は半分程、小さくなりました。

ポリープ状の腫瘍は、膀胱結石により慢性的に膀胱粘膜が傷つけられていたためにできた良性のものです。切除してしまえば問題ありません。

 

ポリープ状の腫瘍


症例3:

1年ほど前から血尿があり、重度の膀胱粘膜の肥厚が認められ腫瘍の疑いがありましたが、16歳と高齢だったため内服薬で様子を見ていたワンちゃん。

重度の胆泥症を発症し、そちらの治療を優先し、胆嚢切除を行いました。術後の回復が順調でしたので、膀胱の治療も積極的に行うことを検討されるようになり、幸い腫瘍は尿道や尿管から離れた場所にできており、比較的簡単に切除できる場所ではあったことや血尿がひどくなってきたことも重なり、手術を決断されました。

膀胱は表面に一部脂肪の癒着が見られたものの比較的綺麗でした。膀胱の粘膜面は紫色に隆起し、広範囲の切除が必要で、摘出後の膀胱は3分の1程度の大きさになってしまいました。切除した腫瘍は、残念ながら移行上皮癌と悪性のものでしたが、術後の血尿はなくなり、状態は安定しています。

  

矢印(←)腫瘍

 

腫瘍は、ポリープなどの良性の腫瘍の場合もありますが、悪性の移行上皮癌のこともあります。良性の腫瘍は、おおむね摘出してしまえば問題ありませんが、悪性の移行上皮癌の場合は、非常に予後がシビアです。肺や骨など遠隔転移もよく認められます。また腫瘍が尿管や尿道の出入り口付近(膀胱三角)にできてしまった場合、摘出が困難となります。尿管を膣や包皮などに移設した場合、尿が常に垂れ流しとなり、術後のケアや合併症が問題となります。外科的な治療のほか、化学療法や放射線療法などを組み合わせ、その子の状態やご家族の希望により、何が最善か判断し治療を行っていくことになります。

いずれにしましても、頻尿や血尿などの異常が見られた時には、早めに検査と治療を行うことをお勧めします。

 

獣医師 名倉美智子


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