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重度の漏斗胸の子猫ちゃん

2019.01.13
漏斗胸とは、胸骨が凹み、肋骨が変形し、胸腔が狭まってしまった状態の胸をいいます。先天性の疾患で、軽度変形の子は特に治療の必要はなく、成長とともに胸郭が広がる場合もあり治療の必要はなく普通の生活が送れますが、重度の場合は肺が圧迫され、肺を十分に膨らませることができず、酸欠状態に陥り、最悪の場合、亡くなってしまいます。

先天性の病気のため、ペットショップやブリーダーさんのところで、すでに発見されている場合が多く、重度の子が新しいご家族のもとに来ることは、ほとんどないかと思いますが、自宅で出産した場合や子猫を保護した場合などで遭遇するかもしれません。


ちょうど1年前に生まれた子猫。生後3週間頃に呼吸が荒くなり、苦しくてミルクが飲めない状態となってしまいました。重度の漏斗胸で、肺が押しつぶされている状態でした。ひとまず、酸素室に入れたところ、呼吸が落ち着き、ミルクも飲めるようになりました。

生後3週間で体重300gほどの子猫だったため、気管挿管により呼吸を確保することが難しく、もう少し大きく成長してから手術を行う予定で酸素室での入院となりました。しかし、入院して3日目の朝、酸素室に入っていても苦しい様子でミルクも飲めなくなってしまいました。このままでは衰弱し、死んでしまうのは目に見えています。子猫の生命力を信じ、手術することにしました。


気管挿管できないため、マスクによる軽い吸入麻酔で維持し、手術となりました。レントゲン検査で、胸骨が重度に変形し、心臓まで圧迫している様子が見られました。


  

                  ↓外固定後

  

手術は胸骨に糸を引っ掛け、その糸を引っ張り胸腔を広げ、外固定するという方法で、成長期のまだ柔らかい骨の時期に可能な手術方法です。骨を切断して矯正する必要はないため、負担がかからない手術になりますが、成長の著しい時期での手術ですので、成長ととも小さくなった外固定を大きめのものに交換することが必要になります。この子は、2回、再固定を行いました。

 5週後               ↓外固定除去

 


子猫は順調に成長し、最初の手術から5週目、300gだった子が800gにまで大きくなり、胸郭も十分に広がり、予定より早く固定器を外すことができました。

今月、1歳の誕生日を迎えることができます。今は不自由なく過ごすことができ、本当に良かったです。


                                  獣医師  名倉美智子

 

 


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