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病院コラム

胆嚢疾患

2017.02.14


ここ半年程、胆嚢粘液嚢腫による胆管閉塞で胆嚢切除を行う子が多かったので、胆嚢疾患についてお話しします。

 胆嚢疾患は初期は無症状であることが多く、血液検査や腹部超音波検査で発見されることが多い疾患です。肝臓で作られた胆汁は胆嚢に貯留され、食事をすると胆管から十二指腸に排泄され脂肪の消化を促します。通常、胆汁は液体ですので、スムーズに胆管から十二指腸に排泄されますが、胆汁が砂状(胆泥症)になったり、ゼリー状に変化(胆嚢粘液嚢腫)すると排泄しにくくなり、詰まってしまいます。胆泥症の状態の時は、血液検査上で正常、もしくは軽度の異常値を示すのみで、症状も全く見られません。粘液嚢腫や胆嚢炎、胆石などの場合では、血液検査でALPやALTの高値がみられますが、症状はないことも多く、気が付くのが遅くなってしまう傾向があります。突然の食欲不振や嘔吐、腹痛などの症状が見られた時には、完全に胆管が閉塞し黄疸を呈し、場合によっては胆嚢破裂を起こしていることもあり、命に係わります。

原因としては、肥満や高脂血症、高脂肪食の摂取などがあげられ、副腎機能亢進症、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が関与している場合もあります。またミニチュアシュナウザーやシェルティなどが好発犬種として挙げられています。

治療は、軽度の場合は内科的にお薬の服用や食事改善などで行い様子を見ていきますが、進行してしまった場合は、外科的に胆嚢切除を行うべきか検討していきます。

すでに嘔吐や腹痛、黄疸などが見られ、重度の胆管閉塞、胆管炎、また胆嚢破裂を起こしてしまった場合は、早急に胆嚢切除を行う必要があります。しかし、すでに胆汁が腹腔内に漏れ腹膜炎を起こし、ショック状態に陥っていたり、膵炎などを併発している場合、手術のリスクは非常に高くなります。そのため、無症状なうちに摘出手術することも推奨されていますが、内科的な治療で長期に維持できることもあるため、高齢な子の場合は手術がベストな選択なのか、非常に悩まれる問題となります。


いずれにしましても、重度になるまで症状を現さないことが多いため、定期的に血液検査や超音波検査を行い、早期に発見し、状態を把握しておくことが大切です。

                                                     

超音波検査画像

胆泥と粘液貯留、胆嚢壁の肥厚が見られます。


肝臓から剥がした胆嚢
  
胆嚢切除後、胆管にカテーテルを通し、胆管を開通させます。


摘出した胆嚢

粘液状の胆泥が詰まっていました。



 
急な食欲不振と腹痛、重度の黄疸でくったりして来院したチョコちゃん。
状態は悪かったですが、胆嚢摘出手術を行いました。
膵炎を併発し、長期入院となりましたが、元気に退院することができました。
がんばりましたね♪


なぐら動物病院  獣医師 名倉美智子
                                                                    

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