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病院コラム

腹腔内腫瘍

2016.09.23

漠然と腹腔内腫瘍といっても、それは様々あります。最近、痩せてきた、食欲がなく、よく吐く、急に元気がなくなって倒れたなど、様々な症状で来院され、触診や腹部エコー検査で腫瘍が見つかります。今回はここ数ヶ月の間にご来院された症例をいくつかご紹介したいと思います。


症例1) 最近痩せてきたとのことでご来院された8歳の猫ちゃん。

元気はあり、食欲もあるとのことでした。触診すると上腹部にコロッとした塊があり、超音波検査で脾臓の近くに4cm大の腫瘍が認められました。細胞診検査で悪性の腫瘍の疑いがあるとの結果を受け、当初は積極的な治療は望んでおりませんでしたが、後日、ご家族の話し合いの結果、やれるところまでしてあげたいということで、摘出手術を行うことになりました。

腫瘍は大網に覆われ、膵頭部と脾臓に癒着しており、癒着している脾臓と大網と一緒に腫瘍を摘出しました。術後は順調に回復し、2日後には退院となりました。病理検査の結果、腫瘍は浸潤性の腺癌でした。腫瘍のさらに詳しい検査や化学療法は希望されませんでしたので、再発するかどうか不明ですが、今は元気に過ごしているようです。

 

                     摘出した腫瘍と脾臓


 

症例2) 最近、下痢が続き、血液が混じるとのことで来院されたワンちゃん。

腹部超音波検査で大きな腹腔内腫瘍が見つかり、消化管を巻き込んでいる様子で、翌日、すぐに手術となりました。腫瘍は小腸から発生し、大網が巻き付き、腸間膜リンパ節の腫大も認められました。小腸の一部を切断し、腫瘍を摘出しました。術後は順調に回復し、退院となりました。病理検査の結果、腫瘍は悪性度の高いTリンパ球系リンパ腫で、残念ながら悪性度の高い癌でした。すでにリンパ節への転移がみられることから、化学療法を希望されず、余生を見守ることとなりました。退院後は、下痢は見られるものの、気分は良い様子で、ご家族と穏やかな時間を過ごしているようです。

  

                      摘出した消化管腫瘍


 

症例3) 他院で脾臓に大きな腫瘍がみつかり、切除できないとのことで、転院されてきた12歳の中型犬のワンちゃん。

超音波検査で確認すると腫瘍は腹部の大部分を占め、重度の貧血があり、手術は困難が予想されました。ぐったりと状態が悪く手術に耐えられるかが問題でしたが、ご家族はこのままでは可愛そうなので助からなくても取って欲しいと手術を希望され、輸血しながらの手術となりました。

摘出した脾臓は1.5kgにも及び、肝臓にも病変が認められたため一緒に生検を行いました。病理検査の結果、腫瘍は脾臓原発の血管肉腫で、肝臓にも転移が認められました。手術後は、ショック状態に陥ることなく順調に回復し、元気に退院されました。しかしながら、血管肉腫は悪性の腫瘍で転移も認められることから、予後は短いと思われます。

  

                            摘出した脾臓

 

腹腔内に発生した腫瘍は、発見がしにくく、また進行の早い悪性の腫瘍であることもあり、気が付いた時にはかなり進行していることもあります。高齢で、すでに病気が進行している状態だった場合、手術するかしないか、非常に悩まれるところだと思います。状態によっては、麻酔をかけただけで命にかかわることもあるかもしれません。ですが、病変部を取り除くことができれば、痛みや体調不良から一時的にでも解放される可能性があり、余生を落ち着いて過ごすことができるかもしれません。

今回、手術を頑張ってくれた子たちが、少しでも長く、ご家族とのかけがいのない時間を過ごすことができれば、うれしく思います。


なぐら動物病院  獣医師 名倉美智子

 

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