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慢性下痢には注意

2021.06.04

下痢の原因はとても様々あります。感染(細菌・ウイルス・寄生虫など)、アレルギー、腫瘍、免疫的な反応によるものに加え、ストレスや膵炎などでも下痢を起こします。

一過性の下痢であれば、食事を控えめにして腸を休め、皮下補液や整腸剤などの服用ですぐに良くなります。しかし、良くなったり悪くなったりを長期に繰り返し、だんだん痩せてきた場合などは、きちんと検査を行うことが大切です。厄介なことに、たまに下痢をするけれど、すぐに良くなり、痩せてきても食欲旺盛で元気がある子もいるため、かなり状態が悪くなるまで来院されない場合があります。原因によっては、長期にわたる下痢は命にかかわることがあるため、手遅れになる前に、早めに検査、治療を行うことが大切です。検査は糞便検査、血液検査、超音波検査などで特定できない場合は、内視鏡検査が必要となり、ご費用の負担がかかってくる場合もあります。

長期にわたる下痢は、脱腸を起こしてしまうこともあります。

  

写真は、直腸に重度の炎症性ポリープができてしまい、肛門から出てきてしまった状態です。このような状態になってしまった場合、炎症を起こしている部分を切除するしかありません。肛門から直腸を引き出し、腸を切除する手術(直腸粘膜プルスルー法)を行いました。このような重度の炎症性腸炎はミニチュアダックスやジャックラッセルに多く、切除しても再発する可能性もあり、生涯にわたり免疫抑制剤などの治療が必要になることも少なくありません。

脱腸は痛みを伴い、全身状態が悪くなってしまうため、早急に手当てをする必要があります。直腸切除は、小さな子猫ちゃんやハムスターでも行うことがあります。

  

写真は生後2~3週間くらい体重250gの小さな子猫ですが、脱腸してしまったとのことで、ご来院されました。前日に他院で縫合してもらったそうですが、また脱腸してしまったとのことでした。脱腸した腸は色が悪く、壊死し始めています。このままの状態ですと、子猫の命も危険なため、すぐに壊死した直腸の切除手術を行いました。切除後は状態も安定し、小さな子猫でしたが頑張ってくれました。先日、1歳になり避妊手術にご来院され、元気な姿を見せてくれました。良かったですね。

人でも下痢しやすい方もいらっしゃると思いますが、たかが下痢と思わず、早めの検査治療が大切です。

 

                                 獣医師 名倉美智子

 

 

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