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胃拡張・胃捻転症候群

2016.02.29


胃拡張・胃捻転症候群はそれほど頻発する病気ではありませんが、発症してしまった場合と急速に状態が悪化し、治療が遅れると、数時間で命を落としてしまうことのある怖い病気です。
ご家族には知識として知っておいてほしいと病気の一つですので、今回、ご紹介します。
 


この病気は、名前の通り、食後に何らかの原因で胃にガスが大量に発生し、胃がパンパンに張って拡張し、さらにぐるっと胃が捻転してしまった状態を胃捻転といいます。


特に大型犬や胸の深い犬種に多く見られる病気ですが、ダックスなどの小型犬でも稀にみられます。
また日頃の大食い習慣で胃が大きくなっていたり、老化などで胃の靭帯が伸びてしまっていると、食後でなくても胃拡張や捻転を起こしてしまうことがあると言われています。


症状としては、お腹が張って、吐こうとするが吐けない、落ち着きがない、呼吸が荒く苦しそうというような症状がみられます。
ついさっきまで元気にしていた子が急速にぐったりしてくる場合がほとんどで、胃が捻転してしまった場合は、虚血した部分の臓器が血行不良により、ショックや虚脱状態に陥ってしまうこともあります。


治療は外科的な治療になります。
まずは応急処置としてパンパンに張った胃を穿刺やチューブなどで減圧し、開腹手術にて胃の捻転を元に戻し、再度捻転しないように固定します。
その際、血行不良で壊死した部分があれば切除し、脾臓を巻き込んで捻転し壊死してしまっているようであれば脾臓も摘出します。
壊死があった場合は、再灌流障害(虚血状態で産生される活性酸素などの毒素が血流再開により全身にまわり、全身の臓器に障害を与える)を発症する可能性が高く、手術が成功しても命を落としてしまう危険性が高くなります。
手術前にすでに胃が壊死し穿孔を起こしている場合は、助かる可能性が極めて低くなります。



肋骨周囲胃腹壁固定               切開胃腹壁固定
    

写真は当院で手術した子の胃です。
飼い主さんが異変に気が付いてすぐに連れて来ることができ、スタッフの多い昼間の時間に発症したことが幸いし、迅速な手術ができたことで胃の壊死や再灌流障害などもなく、順調に回復することができ元気に退院することができました。
一カ所のみの固定ですと再発することもありますので、胃の状態にもよりますが、大抵、数ヵ所固定します。


予防としては、いっぺんに大量のフードを食べさせないこと、食後に散歩などの運動をさせないことなどです。
夕食後に発症することも多いですので、日ごろから十分に注意して観察していただくことが大切です。



獣医師 名倉美智子

 

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