お知らせ・コラム

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犬の病気

2024.07.19

子宮蓄膿症(パイオメトラ)犬・猫・うさぎ・チンチラ・ハムスター等

子宮蓄膿症とは

細菌感染による炎症(子宮内膜炎)が起こり、子宮内に膿性液が貯留する病気です。このうち外陰部からの膿性液排出が認められるものを開放性、子宮頸管が緊縮して排膿を認めないものを閉鎖性として区分されています。

子宮蓄膿症は中高齢の未避妊雌(犬・猫・うさぎ・チンチラ・ハムスターなど)に認められる場合が一般的であり、その発症には黄体ホルモンであるプロジェステロンの関与が知られています。

 

子宮蓄膿症の症状

多飲多尿や嘔吐、食欲不振が最も多く、外陰部からの排液、触診時の腹部圧痛が認められます。一般的に閉鎖性のものは重篤になりやすく、すでに重篤な合併症を起こしていることも多いです。

 

子宮蓄膿症の診断

血液検査で白血球数や炎症蛋白の著しい上昇が認められ、重篤になると内毒素であるエンドトキシンが血液内で増加し、高窒素血症を起こします。白血球数の減少が起こり敗血症に陥ってしまうことも少なくありません。

画像検査で子宮内の液体貯留を確認し、腹水の貯留を認める場合は腹水を採取することで、炎症による貯留なのか子宮破裂による腹腔内への排液によるものなのかを判断します。

赤矢印:子宮内膜 黄矢印:子宮内の蓄膿

 

子宮蓄膿症の治療

この病気は、卵巣子宮摘出術によりほとんどの症例で速やかな術後の回復が期待でき、再発のリスクを抑えることができます。しかしながら重症例では必ずしも救命できるとは限りませんので、手術前の状態評価やその危険性を予見することが重要となります。

来院時は脱水している症例が多いため、静脈点滴をはじめとし、原因として最も主要と言われている大腸菌に対し抗生剤を使用します。

敗血症を認める場合には、ショックと同様にDIC(播種性血管内凝固)と呼ばれる致死的な合併症を起こしている可能性もあるため、必要に応じてDIC治療を先行して行います。

患者の全身状態や検査において他の重篤な病気があり、麻酔や手術自体が危険な場合、手術自体を望まれない場合は、プロジェステロン受容体拮抗薬を使用することで子宮頸管を弛緩させ、排膿を促す治療を行うこともありますが、上手く排膿されないケースや今後再発するデメリットもあります。

 

子宮蓄膿症は最悪の場合命を落とす可能性もある病気のため、若い年齢のうちに予防として避妊手術をしてあげることで、子宮蓄膿症発生のリスクをなくしてあげることも大切です。

 

なぐら動物病院 獣医師 安部昌平

愛知県東郷町 名古屋市緑区天白区 日進市 豊明市 みよし市近郊