小動物の病気
2023.08.28
チンチラ・モルモット・ウサギなどの尿路結石
チンチラ、モルモット、ウサギなど、草食動物も犬や猫と同様に尿路結石(腎臓、膀胱、尿管、尿道)ができてしまうことがあります。特に尿道の長い雄のチンチラは尿道に詰まりやすく、急に尿が出なくなり状態が悪くなってしまうことがあるため、注意が必要な動物です。
チンチラ・モルモットなどの尿路結石の症状
症状は結石ができる場所によりますが、頻尿、血尿、排尿痛などが主で、中には無症状の子もいます。痛みを伴っている子は、沈鬱状態で食欲がなかったり、鳴き声を上げたり、外陰部の周りが舐めて脱毛しているなど、下腹部を気にしている様子が伺えます。
チンチラ・モルモットなどの尿路結石の原因
原因としては、遺伝的素因、代謝異常、食事の影響、細菌感染、水分不足などがあげられていますが、一般的にはカルシウムやビタミンD摂取過剰により結石ができると言われています。飲水量が少ない状態が続くと、尿が濃くなり結石ができやすくなります。
チンチラ・モルモットなどの尿路結石の検査と治療
検査は主にレントゲン検査、超音波検査、尿検査などで診断します。
尿道内の結石(モルモット)
膀胱内の結石(チンチラ)
治療は状態に寄りますが、基本的には膀胱や尿道に詰まってしまっている結石は、外科的に摘出する必要があります。
小動物も犬や猫と同様に、雌の場合は尿道が太いため、排尿ができているようであれば、うまく排泄されてしまうこともありますので、食欲がある場合には様子観察で問題ありません。しかし、雄の場合は尿道に詰まり、排尿ができなくなってしまうことが多いため、早急に摘出手術を行わなければならないケースが多いです。急性腎不全を起こし、状態が悪い場合には、手術も非常にリスクとなりますので治療の選択が迷われます。急性腎不全で状態が悪い場合には、ひとまず軽い鎮静や短時間麻酔などで結石をカテーテルで膀胱内に戻し、点滴治療等で状態が安定してから摘出手術を行うということもあります。
カテーテルを挿入し、尿道内の結石を膀胱に落とします。
摘出した結石
術後の皮膚は糸を齧ってしまわないように皮内縫合する場合が多いです。
いずれにしましても、500g以下の小さな個体の手術は非常に繊細で、できることも限られます。その子の性格やおうちがどれだけケアできるかなども含め、治療の方法を十分に考える必要があります。
愛知県東郷町 なぐら動物病院
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